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2009年 02月 05日

イワン・ビリビン



またまた“ARTS&CRAFTS展”つながりです。


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私の好きな作家に“イワン・ビリビン”と言うロシアの挿絵画家がいるのですが、

今回の展示の中に彼の作品を見つけたときはびっくりしました。

ビリビンも「ARTS&CRAFTS運動」に関わっていたんですね。


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Ivan Bilibin(英語読みではイヴァン・ビリービン)は

ラッカムやデュラック、ニールセンと並んで、

20世紀初頭に最も活躍したイラストレーターの一人です。

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ロシアでも19世紀末、文芸復興運動のようなムーブメントがあって、

ビリビンはその中心的人物として活躍したそうです。


同じ頃、イギリスでもARTS&CRAFTS運動が始まっていますが、

ロシアの運動と、どうリンクしたのかは私もよくわかりません。


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彼の作品は、

物語の場面にロシアの民族柄やアールヌーボー装飾も巧みに取り入れて

挿絵と言うより装飾芸術と言っていいと思います。

挿絵だけでなく、舞台装飾や衣装のデザインなども手がけていて、

装飾全般に渡って、非常に大きな影響力をもった作家だったようです。

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日本の浮世絵の影響も大きく受けているそうです。

↓ この作品はちょっと浮世絵っぽいですね
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ロシアの伝統工芸「ミニアチュール」を思わせるその緻密さは、

さすがロシア!と言う感じです。

以前、ここでご紹介した“スピリン”もそうですが、

ロシア系の画家は、たいてい超細かい絵を描きますよね。


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突然、私の絵でスミマセン・・・

以前描いたカレンダーの原画です。
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ちょっと“ビリビン”テイスト入ってます?

ロシアっぽく、隙間を全部模様で埋めてやる~って勢いで描き始めましたけど、

気が遠くなるほど苦労しました・・・


今まで私が描いた作品の中では、細かさベスト3に入ってると思います(-_-; )
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↓ 「麗しのワシリーサ」と言うロシア民話の表紙

この本は日本語版も出ていますが、残念ながら現在は絶版みたいです。

「ARTS&CRAFTS展」に展示されていたのはこの本

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この本を探してますa0092659_19275284.jpg
ビリビンの本は入手が非常に困難で、

私は一冊も持っていません・・・(ーー;)

2001年に出版されたビリビンの画集を

ず~っと探してるんですが、

もし入手できるようでしたら、

是非教えてくださいませ♪



画像は
こちら(ロシア語)からお借りしました。


# by bonzok | 2009-02-05 19:40 | イワン・ビリビン | Comments(9)
2009年 02月 01日

アンドリュー・ワイエス逝く

今頃ですが…

先月1月16日に、Andrew Wyethが亡くなりましたね (ノД`)・゜・。

すぐに記事を書こうと思っていたのですが、

ヴェトナムリポートの途中だったので、書きそびれていました。



ワイエス死去の記事を読んだ時、

あれ?まだ生きてたんだ!って、ちょっとびっくりしてしまいました。

うまく言えないけど、あんなに偉大な画家が、

過去の人ではなくて、つい最近までこの世にいたって事が驚きでした。



"Distant Thunder"(遠雷)
当たり前ですけど、ホントに上手ですよねぇ~ a0092659_22353691.jpg






"Maga's Daughter"(ワイエスの奥さん)  私の好きな作品です
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ワイエスはアメリカの国民的画家ですが、

アメリカ以外では、日本が一番ファンが多いそうです。

フェルメールと同じく、日本人にウケるのがわかる気がします。


"Helga"
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近所の農場で働くドイツ系の女性ヘルガ

彼女をモデルにした作品だけでも246点もあるそうですよ。

ワイエスは、彼女のどこにそれほど惹かれたのでしょう。


それにしても、このリアルさ!

何度も言いますけど、本当にすごい技術ですよね。




超有名な「クリスティーナの世界」 
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近所に住む娘、クリスティーナを描いた作品(ワイエスのモデルはほとんど近所の人です)

足の不自由な彼女が家に向かって這って行く姿だそうです。

とてもインパクトのある作品ですね。



↓ 学生時代、ワイエスに心酔してた頃、
こういう木の描き方を真似してました(-_-; )
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↓ “WIND FROM THE SEA”
本当に窓から風が入ってくるみたい。

また言わせてください。
ほんとにため息が出るほど上手いなぁ・・・(ーー;)
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画像だとよくわかりませんが、

レースのカーテンは、筆の勢いがわかるほどさらっと描かれています。



彼の絵は、超写実(スーパーリアリズム)なのに

どこか非現実的で、幻想的

リアルを超えた世界という感じです。



アメリカの原風景を描き続けたワイエスの作品は、

心和むとか癒されると言うのとはちょっと違って、

哀愁漂うと言いますか、

ひと言で言うと寂しい絵なのですが、なぜか心惹かれます。


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昨年12月までBunkamuraでワイエス展が開催されていましたね。

ほとんどが習作や素描って聞いたので、今回はパスしてしまいましたが、

やっぱり行っておけばよかった・・・

今は名古屋で開催中、そのあと福島を巡回するそうなので、

お近くの方は是非見ていらしてください。


こちらのyoutubeでワイエスの作品を少し見ることができますよ。 



おまけ・・・

映画『スーパーマン』のファーストシーンだったかしら、

スーパーマンの少年時代の風景が出てきたとき、

「これって、絶対、ワイエスだぁ~!」って思いました。

「クリスティーナの世界」そのまんまの、本当に美しいシーンだったんです。

もし、DVDでも見る機会があったら確認してみてくださいね!

(クリストファー・リーヴのスーパーマンです)

# by bonzok | 2009-02-01 22:35 | アンドリュー・ワイエス | Comments(2)
2009年 01月 29日

ジョン・ラスキン

先日行った「ARTS&CRAFTS展」繋がりですが、

アーツ&クラフツ運動の提唱者で、

ウィリアム・モリスが師と仰ぐ、“ジョン・ラスキン”と言う人物をご存知ですか?


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John Ruskin は、イギリス・ヴィクトリア期の美術評論家であり、

思想家、詩人、芸術家、哲学者として

マルチな分野で大きな影響力を持った人物です。



私の好きなイギリス系の画家を調べていると、

ラスキンの名前が頻繁に出てきます。



                  こちらは30代のラスキン、
                  かなりの美形ですね。
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彼の名前を初めて知ったのは、

「不思議の国のアリス」について調べていた時です。

アリスのモデルとなった“アリス・リデル”の絵の先生をしていたのが

ジョン・ラスキンでした。


アリス・リデル 
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  彼は、当時リデル家と親しかったルイス・キャロルと知り合います。

  ラスキンは「不思議の国のアリス」出版に至るまで、

  ルイス・キャロルに大きな影響を与えた人物でもあったようです。









記憶が曖昧ですが、ジョン・テニエルを挿し絵にを起用するように薦めたのもラスキンだったと思います。

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以前、ここでもお話したケイト・グリーナウェイも

ジョン・ラスキンの強力な支持を受け、活躍の場を広めることができました。
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ラスキンが異常なまでにグリーナウェイを支持したのは、

ルイス・キャロルと同じく小児性愛(つまり、ロリコン)の嗜好があると言われ

グリーナウェイの描く子供に恋したから、と言う説もあります。

ちょっと、キモいです・・・(ーー;)


グリーナウェイとの親交は彼が亡くなるまで続き、

ラスキンが亡くなった翌年、グリーナウェイも後を追うように亡くなっています。




ラスキンはまた、ラファエル前派の活動を影で支えた重要な人物でした。

『オフィーリア』で有名な“ジョン・エヴァレット・ミレイ”も

ラスキンによって世に出た一人です。

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ミレイはラスキンの肖像画も描いていますよ。

何しろミレイのパトロンですから、カッコよく描かれてますね

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ところが・・・

あろう事か、ミレイはラスキンの妻エフィと恋に落ち、

ラスキンと離婚後二人は再婚しちゃいましたのよ。

↓ の絵は、まだラスキン夫人だったエフィをミレイが描いた水彩画

さすがにきれいな人ですね。 ミレイが恋したのも納得・・・

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もうひとり、ラファエル前派の代表的な画家ロセッティもまた、

ウィリアム・モリスの奥さんジェインに恋しちゃいまして、

その後もずっと三角関係は続いたそうです。

「ラファエル前派」の画家たちは情熱的なのか。

この辺のドラマチックな話は長くなるので、またいつか・・



↓ こちらは、ロセッティの「プロセルピナ」

モデルはW・モリス夫人のジェインですけど

ロセッティの描く女性は、ほぼ全員こんな顔してます

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ラスキンの著書は建築に関するものも多く、

彼の独自の芸術理論によって修復、保存された建築物も多く残されています。


ジョン・ラスキンは美術評論家としてだけではなく、

社会思想家としても、

トルストイやガンジーといった幅広い分野で、彼の思想は支持され、

日本では、島崎藤村、夏目漱石も彼の信奉者だったようです。


自然をこよなく愛し、

英国自然保護団体「ナショナルトラストの」創設に尽力したことでも知られています。



ジョン・ラスキンの高い美意識は様々なジャンルで崇拝され、

ここで紹介しきれないほど、偉大な功績を残しました。



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おまけ・・・


ラスキンが39歳の時、わずか10歳の少女に恋をして

その後の苦悩を描いた実話が、

「ヴェネツィアの薔薇」と言う本になって出版されています。

特に盛り上がりも無く、あっと言う間に読める短いストーリーでした…






# by bonzok | 2009-01-29 21:27 | ジョン・ラスキン | Comments(0)