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2009年 01月 29日
ジョン・ラスキン
アーツ&クラフツ運動の提唱者で、
ウィリアム・モリスが師と仰ぐ、“ジョン・ラスキン”と言う人物をご存知ですか?

John Ruskin は、イギリス・ヴィクトリア期の美術評論家であり、
思想家、詩人、芸術家、哲学者として
マルチな分野で大きな影響力を持った人物です。
私の好きなイギリス系の画家を調べていると、
ラスキンの名前が頻繁に出てきます。
こちらは30代のラスキン、
かなりの美形ですね。

彼は、当時リデル家と親しかったルイス・キャロルと知り合います。
ラスキンは「不思議の国のアリス」出版に至るまで、
ルイス・キャロルに大きな影響を与えた人物でもあったようです。
ラスキンは「不思議の国のアリス」出版に至るまで、
ルイス・キャロルに大きな影響を与えた人物でもあったようです。
記憶が曖昧ですが、ジョン・テニエルを挿し絵にを起用するように薦めたのもラスキンだったと思います。

以前、ここでもお話したケイト・グリーナウェイも
ジョン・ラスキンの強力な支持を受け、活躍の場を広めることができました。

ラスキンが異常なまでにグリーナウェイを支持したのは、
ルイス・キャロルと同じく小児性愛(つまり、ロリコン)の嗜好があると言われ
グリーナウェイの描く子供に恋したから、と言う説もあります。
ちょっと、キモいです・・・(ーー;)
グリーナウェイとの親交は彼が亡くなるまで続き、
ラスキンが亡くなった翌年、グリーナウェイも後を追うように亡くなっています。
ラスキンはまた、ラファエル前派の活動を影で支えた重要な人物でした。
『オフィーリア』で有名な“ジョン・エヴァレット・ミレイ”も
ラスキンによって世に出た一人です。

ミレイはラスキンの肖像画も描いていますよ。
何しろミレイのパトロンですから、カッコよく描かれてますね

ところが・・・
あろう事か、ミレイはラスキンの妻エフィと恋に落ち、
ラスキンと離婚後二人は再婚しちゃいましたのよ。
↓ の絵は、まだラスキン夫人だったエフィをミレイが描いた水彩画
さすがにきれいな人ですね。 ミレイが恋したのも納得・・・

もうひとり、ラファエル前派の代表的な画家ロセッティもまた、
ウィリアム・モリスの奥さんジェインに恋しちゃいまして、
その後もずっと三角関係は続いたそうです。
「ラファエル前派」の画家たちは情熱的なのか。
この辺のドラマチックな話は長くなるので、またいつか・・
↓ こちらは、ロセッティの「プロセルピナ」
モデルはW・モリス夫人のジェインですけど
ロセッティの描く女性は、ほぼ全員こんな顔してます
モデルはW・モリス夫人のジェインですけど
ロセッティの描く女性は、ほぼ全員こんな顔してます

ラスキンの著書は建築に関するものも多く、
彼の独自の芸術理論によって修復、保存された建築物も多く残されています。
ジョン・ラスキンは美術評論家としてだけではなく、
社会思想家としても、
トルストイやガンジーといった幅広い分野で、彼の思想は支持され、
日本では、島崎藤村、夏目漱石も彼の信奉者だったようです。
自然をこよなく愛し、
英国自然保護団体「ナショナルトラストの」創設に尽力したことでも知られています。
ジョン・ラスキンの高い美意識は様々なジャンルで崇拝され、
ここで紹介しきれないほど、偉大な功績を残しました。
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おまけ・・・
ラスキンが39歳の時、わずか10歳の少女に恋をして
その後の苦悩を描いた実話が、
「ヴェネツィアの薔薇」と言う本になって出版されています。
特に盛り上がりも無く、あっと言う間に読める短いストーリーでした…
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by bonzok
| 2009-01-29 21:27
| ジョン・ラスキン
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